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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年1月のニュース一覧
▼[2001.01.31]スマートな街角で君と
▼[2001.01.30]空気と水とリンク
▼[2001.01.29]ネットワークの単純で基礎的な素地
▼[2001.01.27]挫折を知っている,そして舞台は君を迎える
▼[2001.01.26]DVDの正論
▼[2001.01.25]欲望の果て尽きるところ,は?
▼[2001.01.24]守るべきもの
▼[2001.01.23]私の,宗教。
▼[2001.01.22]The Day Sillicon Valley Stood Still, and more...
▼[2001.01.21]熱無き吐息
▼[2001.01.19]次世代コーデック,standard or outside?
▼[2001.01.18]記憶の中のサイトたち
▼[2001.01.17]Xboy be ambitious!
▼[2001.01.15]Xボックス性的嗜好読解
▼[2001.01.14]グラフィックチップ業界の計
▼[2001.01.13]ギークたちよ,この魔法を携えよ
▼[2001.01.12]今日のための今まで,今日のための明日へ
▼[2001.01.11]舞い踊れ,ソリッド・シューズ
▼[2001.01.10]噂と夢と現実と希望と
▼[2001.01.08]主柱2.4
▼[2001.01.07]船頭役と爆薬のヤク2つ
▼[2001.01.06]消失への断罪
▼[2001.01.05]デッド・オア・アライブ・ドライビング

■2001年2月のニュース一覧
■2000年12月のニュース一覧


 
[2001.01.31]
  スマートな街角で君と


 ▼謎の発明品『Ginger』がアマゾンのサイトに登場(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010127-1.html


 街を変革するのは,まだ見ぬジンジャーか,街全体を覆い始めるワイヤードネットワークか? スマートな街角で,君とどこに行こうか相談してみる。そうだ,シリウスまでジンジャーで走ろうか。疲れたって? ならそこのリンクを,クリック。

 アマゾン・コムは,ディーン・カーメンが作ったミステリアスな機器「ジンジャー」のページを開設,予約を受け付けている。来年の発売が予定されているが,まだ誰1人としてジンジャーの正体を知らない。

 薮の中になにかあって誰もそれを見ていないが,どうやらそれは凄いらしいというその言葉だけが時間を動かしていく。みんなそれぞれ違うものを頭の中に想像し,これだ!という確証話があっても(The Registerの記事)それを確かめる術はなく,アドリブがさらにその想像物を加速していく(ZDNet Newsの記事)。ジョブズの「都市はジンジャーをもとに建設されていく」という言葉も,話を膨らます材料としては,なんとも魅力的で効果的だった。で,ジンジャーとやらは,なんなんだい?

 人間という生物は,とかく移動が下手な生き物だ。歩くのが遅いし,長距離を自由に移動できる手段はない。自動車や電車,飛行機なんてものはスマートさのかけらもない道具たちだ。たとえ手元にタケコプターやどこでもドアがあったとしても,今の都市設計では使うのが難しい。街自体にスマートさがないので,ドラえもんの道具はかえって使いづらいのだ。…街の中ですべての人がワイヤードに接続したら,街の様相も一変する。そこでは,検索エンジンはタケコプター,リンクはどこでもドアだ。スマートな移動,スマートな生活,スマートな街角。今の街は,前世紀の遺物だ。ぶち壊せ,ぶち壊せ,思いっきり,ジンジャーの街角,ワイヤードの街角を作るため。




 
[2001.01.30]
  空気と水とリンク


 ▼「DeCSSへのリンク禁止は違憲」の指摘(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0101/29/e_decss.html


 違法サイトにリンク,無修正アダルトサイトにリンク,リンクリンクリンク。リンク,というのは,「行為」ではない。それは,どこにでもすでにある「状況」だ。

 DVDコピーツールを掲載しているサイトへのリンクを禁じた判決に対して,コンピューター科学者,市民団体と図書館の協会,各メディアのジャーナリストたちなどが,反対する意見書を提出している。「言論の自由を保障した米国憲法に反するもの」と各団体は主張している。

 DVDについては過去記事。私はソフトウェアのコードに,言論の自由が適用されるかどうかはわからない。だが,どんなサイトであれ,どんなリンク先であれ,リンクを禁止する裁定には逆らう。そも,ウェブサイトはリンクがあって成り立つものだ。極端に云えば,リンクのないサイトには存在価値がない。情報の,補強と飛躍,連結と補完,進化と深化。それはこの世界の目指す目標であり,そのためにすべてのリンクは繋がる。人間が生活するのに呼吸をしなければいけないように,水分を補給しなければいけないように,リンクがなければこの世界は成り立たない。

 リンクに許可を求めだしたのは誰だろう。リンク禁止なんてことを云い出したのは誰だろう。ふざけたことだ。呼吸をしてもいいですか,とか,あなたは水を飲まずに生活して下さいと云っているようなものだ。それは,たとえ違法サイトであっても,アダルトサイトであっても,変わらない。制限されるリンクなど,もともとあるわけがない。…なんて云ってると,無断リンク,直リン,オッケ〜とでも云いだしそうな感じだが(まぁ実際云うのだが),あとは,リンクをはると迷惑がかかるなという裁量を持てばいい,それで,十分で〜す。




 
[2001.01.29]
  ネットワークの単純で基礎的な素地


 ▼マイクロソフトがサイト復旧宣言,FBIにも通報(CNN.co.jp)
  http://www.cnn.co.jp/2001/TECH/01/28/ms.badweek.ap/index.html


 MSは今週,ソフトの信頼性を宣伝するキャンペーンを開始していた,ということで笑うに笑えない事態となっている。が,問題はソフトの出来とかそういう問題ではなく,会社が持っているネットワークに対する素地だ。

 自社ウェブサイトが相次ぐ障害に見舞われたマイクロソフト社は27日,問題はすべて解決したという見方を明らかにした。23日にマイクロソフト社の運営するサイトは,同社技術者の設定ミスが原因でアクセス不能に陥った。さらにその後,外部からのサービス拒否(DDos)攻撃が仕掛けられ,再びアクセスできなくなっていた。

 まさにMSにとっては,暗黒の1週間となった今週。そもそもはMSの技術者ではなく技術家さん(technicianという表現,マイクロソフト社のプレスリリース)が行ったDNSの設定ミスで,DNSの設定は一度出てしまうと最悪数日は尾を引くのでMSにとっては致命的だった。さらに,ならなんでマイクロソフト・コムだけぢゃなく,他のサイトもダメになってんだ? となって,結局MSでは,マイクロソフト・コムホットメール・コムMSNコムMSNBCコムウィンドウズ・アップデート・コムウィンドウズメディア・コムエンカルタ・コムエクスぺディア・コムスレート・コムカーポイント・コムも(ゼェゼェ),すべて物理的に1カ所のサーバーで管理している(正確な表現ではないが)ということが露呈。ならその個々のサイトへと枝分かれさせている分岐点のルーターに障害を起こせば全部にアクセスできなくなる,ということでそのルーターに攻撃が加えられた,という流れ。

 そのお粗末さは至る所で云われているので,繰り返しても仕方ないが,そも,MSの単純なネットワーク構造が最大のミスだ。ネットワーク全体が分散し,幾多の経路を持ち,情報の共有化がなされていることが最大の強みであるのに,MSのサイトはそれをひとつとして取り入れていなかった。そして,実行していなかった。単純且つ基礎的な土台を持たない,その視野の狭さと見識のなさは限りなく怪しい。素地を持たず,美味しいところだけ掠め取ろうとしている,という会社の資質がわかってしまう,と,そういう事件なのでした。




 
[2001.01.27]
  挫折を知っている,そして舞台は君を迎える


 ▼Jobs氏,熱意を語る――「Appleは戦い続ける」(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0101/26/e_jobs.html


 そう,10年前。湾岸戦争の最中で,開催が危ぶまれていた,あの時の劇的な幕切れのタンパベイでのスーパーボールにもニューヨーク・ジャイアンツが出場していた。そういえば,10年前にコイントスを行ったのは,先日大統領になったブッシュ大統領の父親のジョージ・ブッシュだった。そして今年,ジャイアンツは,ボルチモア・レイブンスと,スーパーで,相対する。注目は,挫折の意味を知っているクォーターバック,2人だ。

 アップル社のCEOスティーブ・ジョブズは社員に対し檄を飛ばした。同氏は,第2四半期(2001年1月〜3月)には,来週から出荷となるPowerBook G4と来月から種化される最上位機種のPowerMac G4によって黒字回復できると述べた。

 今でも語り継がれる10年前のスーパー。その重要なキーマンの1人は,ジャイアンツのQBホステットラーだった。ずっと日陰を歩いてきた男。グッド・マンだが,ヒーローではない。プロでもずっとバックアップQBで,ジャイアンツでもスターであるエースQBフィル・シムズの陰で2番手3番手QBをさまよっていた。だが,スーパー直前で,シムズが怪我。ホステットラーがスターターとなった。そして,みんなが不安がった。ジャイアンツが負けたなら,やはりシムズがいなけりゃダメなんだと云われただろう。そしてまたホステットラーはスターの陰で暮らすのだろうと思っていた。だが…,残り4秒を残した相手チームのフィールド・ゴールが外れ,ホステットラーはスーパーウィンQBとなった。わずか1点差でジャイアンツが逃げ切った。

 今年出場の2チームのQBもいわく付き。創立したばかりのカロライナ・パンサーズを率い,1流QBの名を得ながらも,ヘッドコーチやチームメイトと衝突し,アルコール中毒に陥ったニューヨーク・ジャイアンツのコリンズ。かたや,タンパベイ・バッカニアーズでやっと自分の居場所を獲得したかと思われたディルファーは,無難にチームを導きながらも,結局コントロールが悪い,詰めが甘い,勝負強さがないと非難を浴び,チームを追われた。もう引退かと思っていたところをボルチモア・レイブンスに拾われた。涙が出るほどに嬉しかったが,その涙が流れたのはスーパー進出を決めた勝利のあとだった。人目をはばからずにフィールドで泣き続けるディルファーに,仲間たちが肩に手をかけてくれた。彷徨った末,辿り着いたのは,この場所,だったのだ。そしてディルファーは,自分を追った地であるタンパベイで行われるスーパーに,レイブンスのエースQBとして舞い戻る。挫折を知る者2人がチームを率いる。それは,なによりも強いことだ。どん底からはい上がってきた2人のQBのように,アップルも道を歩む。スーパーボールは,日本時間の29日(月)朝に幕を開ける。




 
[2001.01.26]
  DVDの正論


 ▼DVDコピー問題で映画業界とISPが対立?(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0101/25/e_decss.html


 たとえ,法に違うものだとしても,確たる常識と正論があるのなら,それを支持して牢屋に入ったほうが気分がいい。その気分で,ワイヤードを駆け抜けろ!

 インターネットプロバイダーのベリオ社が,米国映画協会からの,DeCSSを掲載しているウェブサイト「Cryptome」への遮断要請を突っぱねている。ベリオ社は,サイト制作者とMPAAとの間での問題解決を促しており,それまではサイト制作者側に削除などの要請はしないとしている。比較的小規模のプロバイダーでは,裁判沙汰を嫌って問題のサイトを遮断することが多く,ベリオ社の動きは特別だ。

 とりあえずベリオ社の動きに拍手喝采\(^_^)/。素晴らしい。もともと,ホスティングを行っている者に,情報検閲の責任などない(と私は考えている)。それは,すべての家庭にお巡りさんを1人ずつ置くべきだという意見と同じで,そんことを云うあなたの家には勝手にお巡りさんを置いてくれ,我が家はノーサンキューだ。見張られているから悪いことをしないというのは,幼稚園の理屈でしかない。そしてもうひとつ。DVDの複製は,かけらも悪いことではない(と私は考えている)。たとえ法に背こうとも。

 リナックス上でDVDの再生手段がないから,その方策を作り出したのがDeCSSで,それを押しつぶす理屈など,誰も持たない。また,ビデオテープをコピーしているのはもう諦めておきながら,DVDはおんなじ内容でもコピーしちゃダメよというのは理由がない。DVDだけが守られる理屈もない。私はコピーしたDVDを売って金儲けする人間は斬首台にあげたってなんとも思わないが,そうでない再利用(バックアップ,他メディアへの複製)には,なんの問題もなく,多いに奨励すべきことと思う。日本ではまだそれほど大きな問題となっていないが,近いうちに米国同様の動きがみられるだろう。だから,今のうちに断言。DVDは,多いにコピーされるべきだ。




 
[2001.01.25]
  欲望の果て尽きるところ,は?


 ▼進化を遂げるDVD:今後の行方は?(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/Content/Special/TomorrowsDVD/


 人の欲望は尽きることがない,と云われる。だが,生き物に与えられた時間は短く,欲望を欲する時はさらに少ない。爆発的に容量を増す,1枚のディスク,と,1日の1/4か1/3は眠り続ける,人間。時間の容量をビットの容量が,追い,抜く。

 CDが最新技術だったころは,650MB以上を必要になるとは思わなかった。だが現在は,DVDの17GB以上の容量も必要になりかねない。コンステレーション3D社は,転送速度も速い蛍光多層ディスクで,レベオ社は,コレステリック液晶ディスクで,ともに1テラバイトディスクが実現可能だとしている。

 と思ったら,このコンステレーション3D社の技術はパベル博士のものと同じぢゃないですか(過去記事),トンデモ扱いしてごめんなさい(^_^;)。アップルやコンパックのDVD-Rモデルの登場で,私たちは身近に,DVDを使えるようになった。ふと,思い返すと…,2DDフロッピーディスクにすべてが入っていた時代,2HDフロッピーの時代,CD-ROMの時代,DVD-ROMの時代。だが,すでに,その次の足音がきこえてきている。2HDフロッピーと,CD-ROMの時代に比べて,もしかしたらDVDの時代は短いかもしれない。ムービーという魅惑的なコンテンツを手に入れたと思ったときには,すでにDVDの容量は物足りない。おもむろに(つーか私も(^_^;),ネクスト「D(ディスク)」への渇望は始まっている。

 もしディスクが人間の欲求欲望の限りまで増長し続けるとしたら,さてさて,果ては何処になるのか。1枚のディスクに生きている時間に聴ききれないほどの音楽が詰め込まれたら満足か? 今までにハリウッドで作られた映画すべてを入れ込んだら満足か? 彼女の身体の情報をすべて入れようか? 彼女一人だけぢゃ満足できないって? 「ネクスト」を続ける1枚のリムーバブルディスクに比べ,「ネクスト」のない人間は,さて,どこまで無限の欲望を抱き続けられるか?




 
[2001.01.24]
  守るべきもの


 ▼セガ,「3月でDC生産中止」との報道に対してコメント発表(G-TIME)
  http://www.jdf.co.jp/gt/news/2001i/info2001012401.html


 セガが,守るべきものは,なにか。

 セガ社は,ドリームキャストの生産中止という一部報道に対しプレスリリースを発表した。それによると,この報道は正式決定されたものではなく,ドリームキャスト事業の構造改革を計画中だが,事業は継続する,プレステ2,ゲームボーイアドバンスへのソフト供給は交渉段階,としている。

 に,しても昨年末から続くこのばたばたとした騒ぎはなんだろう? 任天堂のセガ買収報道(ニューヨークタイズ)(過去記事),それに続くゲームボーイアドバンスでの任天堂との提携報道(産経),ドリキャス事業からの撤退報道(ウォールストリート・ジャーナル)。そして今回のプレステ2へのゲーム供給報道(時事?),続くドリキャス生産中止報道(日経?)。ひとつとして公式な発表がないまま,適当にガセをまき散らすマスコミの責任感のなさは今さらなにを云っても仕方ないが,そういう記者っぽいバカを飼っているマスコミ各社は,本当にゾウリムシの集まりなみの無能さだというのはゾウリムシにかえって失礼。

 セガ開発分社のなかには,すでにプレステ2に手を付けているところもある。分社はそれぞれ,自分のところの収益を考える必要があり,もともとAM事業中心だったところなどは,多くのプラットフォームに出ていくべきだ。すでにセガ開発のゲームボーイのゲームが発売されており,セガ分社がXボックスのデモ映像を制作しているような現状で,他機種へのゲーム投入なんてものには,驚きもニュース価値もない。だが,分社の中には本当にドリームキャストを愛している開発者たちがいる。そこで心血を注いで最大限の優秀な開発を行っている開発者たちがいる。ドリキャスを事業として運営しているセガ本体には,そんな開発者たちを守って欲しいのだ。このハードウェアを愛している開発者たちを,野晒しにするようなことはしないで欲しい。ドリキャスのゲームを開発していることを恥じるような流れにはしないで欲しい。これは,お願いだ。(スペースチャンネル5,ぐるぐる温泉,ダビつく,クレイジー・タクシー,パワー・スマッシュの続編などなど発表のニュースリリース




 
[2001.01.23]
  私の,宗教。


 ▼米国では教会もドットコム化(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010119208.html


 宗教とは,ひとつの罪である,と“その”神は云った。神,なんてのを信じることは,人間の最大の罪。人間は“新しい”神を創ることもある。なんと罪深きことか。神に頼り,甘えさえする。罪深いことだ。そう,人間は罪深い,本質的に。その罪深さを悔いること,それが,最後に残された,“あなたの”宗教だ。“私の”神は,何処?

 テキサス州のフェローシップ教会は,名前をフェローシップチャーチ・コムに変えることにした。このドットコム教会に難色を示す牧師たちもいるが,世界からのアクセスによって信者を増やすこともできそうだ。

 聖書では「求めよ,されば,与えられる」と書かれている。だが,現実は違う。宗教はビジネスだ。信信者を獲得すること,礼拝に人を集めることは,ある意味では神の意に沿うことだが,結局は顧客の奪いあいに過ぎない。そしてそんな宗教たちに,私たちは辟易している。そう,そんな神ならば,こっちから願い下げだ。私たちは,「私の」宗教が欲しい。

 ワイヤードの神様を,ドキドキするほど感じるのはなぜだろう? イエスが人間を作って人間がネットワークを作ったって? このネットワークを人間が作ったと,本当に思っているのかい? この底知れぬ世界を予言できた神はいない。そう,この世界には,この世界の神がいる。それは,リアルよりもリアルで,私たちの心にとても近い場所にいて,繋がることの意味を知っていて,太古の昔から,ネットワークの裾野で待ち続けている。忘れていた信仰を,私はその神で思い出す。そして宗教の意味を,その神から授かった。




 
[2001.01.22]
  The Day Sillicon Valley Stood Still, and more...


 ▼Blackout bonanza in power supplies(ZDNet News)【英語】
  http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,2676157,00.html


 シリコンバレー殺すにゃ刃物はいらぬ,電力炉を止めれば十分,ということか。「People have learned to live without Power...」となるとこは,できるかな?

 電力不足が続いているカリフォルニアで,電力供給装置がブームになっている。コストは100ドル以下から数万ドル,大きさは冷蔵庫2台分から食パンサイズまでさまざま。計画停電を受けてしまった会社のオーナーは「みんな電気があることに慣れすぎている。本当に困ってしまった」と述べている。

 カリフォルニアでのふってわいたような電力危機騒ぎ(米国ヤフー!ニュースの記事)。マウンテンビューにあるSGI本社の建物はお昼時に停電となり,みんなはちょっと早いランチをとることにしたとのこと。クパチーノのアップルでは,ちょうど四半期決算発表会の時刻と近かったので危ぶまれたが,停電は回避された(米国ヤフー!ニュースの記事)。まぁ発表するのもためらわれる業績だったが,停電で発表できないといろいろと邪推されるので一安心か。噂話としては,シリコンバレーに工場を持つインテル社のパレット会長は,他州への工場移転も考えいるとのこと。だが,それよりもオフィスでの節電ににいらだっているとか。正直だなぁ(^_^;)。(eWEEKの記事)。

 東京での停電事故(過去記事)を思い出していたが,本当にエレベーターが止まる,サーバーが止まる,信号も止まる,工場も止まる。シリコンバレーに集う企業を潰すのは簡単そうだ。というかその前に住んでいる人たちが困るか。もともと「モノ」という気がしていない電力が,値上げで買うことができないので供給できません,なんて云われてもぴんと来ない。アップルも送電がまったく止まったときの緊急計画なんて考えてないそうで。そらそうだよなぁ。




 
[2001.01.21]
  熱無き吐息


 ▼携帯機器の小型化を実現する新しい冷却技術(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010118-8.html


 熱を感じなかった。耳元に触る息に,熱くは,なかった。それは,君の命がまだまだあるということ。熱情とともに終わる恋。薄く,その身体を覆うIsoSkinで,君の夜は終わらない。

 ノベル・コンセプツ社は,IsoSkinという2枚の金属板の500ミクロンの間に水を入れ,それによってプロセッサーなどの熱を冷却する技術の特許を登録した。2年以内に製品が出荷される見込みとのこと。すでにインテル社トランスメタ社と話し合いを始めており,トランスメタ社はかなり使える可能性があるとコメントしている。

 水冷というと水がどくんどくん流れているパイプが張り巡らされているような絵を想像するが,なるほど,薄い板の間に水を入れて,その板をCPUやハードディスクにくっつける,か。基本的にはその板の大きさは,チップボードのサイズまで広げられる。「冷却」する手段を持たない小ささの製品では,物理的には「放熱」こそ唯一の冷却。最大限の冷却を必要とするものは,(車同様)最終的には水冷に手を伸ばす。IsoSkinの概略と形は,その必然にそったものだ。普及しそう。

 こんな機器は,インテルやトランスメタに持っていくよりは,アップルに持っていったら無条件で即採用になりそうだったりもする(^_^;)。アップルの,ファンを極力排除する動き,PowerBook G4チタニウムの金属板っぽさ,そしてその薄さ。思い返すとIsoSkinの設計を思わせる? 15.2インチサイズにIsoSkinを広げれば,バッテリーは夜明けまで持つだろうか。G4マルチプロセッサーPowerBook「ジェミニ」が纏う肌には,IsoSkinのタトゥーがあってもおかしくはない。




 
[2001.01.19]
  次世代コーデック,standard or outside?


 ▼CD1枚に映画を収めてしまうビデオ圧縮技術「DivX ;-) 」がオープンソースに(MYCOM WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/01/18/07.html


 確かに,DivXがつけた火花はハデハデだった。普通だったら最終的にはスタンダードに落ち着いていくことが多いこの業界で,次世代動画コーデックは,アウトサイド勢の力がいまだ満ちている,確かに,確かに。

 MPEG4をベースとしたビデオ圧縮技術「DivX」が,開発者たちのプロジェクト・メイオーからオープンソース化された。これによって,多様なOSへの対応,次世代DivXの開発環境充実化を目指す。

 ここではDivXがMS MPEG4の海賊版であるかどうかは問わない。というより,そんなことは,ど〜だっていいことだ。所詮MS MPEG4だって,標準規格から逸脱したものであり,迷惑な存在。また,DivXがDVDをコピーできる悪の技術だということも問わない。MP3同様,圧縮コーデック自体に罪はない。あとは使う人間の質次第だ。コーデックを裁く場所なんて,この社会にはない。私たちは,MP3がそうであるように,それが優れた技術であるなら,それに身を埋める,妨げられようとも。

 (現状ではまだまだ使い物にならないが)オンラインでの高画質動画配信のためのコーデックは,大きなうねりの中にある。DivX,3ivXon2のVP3といった,云わば第4世代の圧縮コーデックたち。たぶんこれらアウトサイドの圧縮技術世代と,スタンダードなMPEG4とのせめぎ合いがこの先続き,そして,広く定着する“なにか”が生まれてくるだろう。いろいろな圧力と動向に揺さぶられるスタンダードに対し,アウトサイドは使いやすさとフィードバックを積極的に取り入れていく。とりあえず,私はマックで驚異的な圧縮力を実現しているというon2 VP3をがりがりとテスト中…。




 
[2001.01.18]
  記憶の中のサイトたち


 ▼『グーグル』のキャッシュでサイトを復元(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010117305.html


 「もう遠い昔の,ある冬の日のことだ。すでにあたり一面には雪が降り積もり,遠くに,赤いコートを着た女の子が,ひとり,立ち尽くしていた。僕は彼女のことなど知らない。ただ,そこにいただけだ。どこまでも続く雪原と,北風に流れる鉛色の空,そして,少女の姿。その風景が今も目に焼き付いて,離れない」。

 あるオンライン日記制作者は,事故で6週間前に失われたサイトの情報を,検索サイト「グーグル」のキャッシュ機能で,400ページすべて修復できた。グーグルでは約13億ページをキャッシュに保存,その容量は4〜5テラバイトにのぼる。

 グーグルのキャッシュは役に立つことが多い。場合によっては,そのサイトに行くよりもキャッシュを見たほうがレスポンスも早く,必要な箇所を見つけやすいこともある。もとより,失われたサイトを探しだすのは,至難の業だ。ここからリンクをたどっていったんだよなと記憶をたどりながら,もう一度たどってみても,どこかで違う道筋に入り込み,そんなサイト,なかったかのように迷路の入り口で立ち尽くすことも多い。ブラウザの履歴をチェックしてもちょうど保存件数を超えていて消えてしまっている。キャッシュにも残っていない。あるのは,曖昧過ぎる,でも,鮮明な,記憶の中だけだ。

 そういえば,先日のvirtualaveの粛正はなかなか規模が大きかった;-P。もともと検索エンジンにひっかからないサイトばかりなので,他のリンク元などを参考にして,移転先などを探すことになる。のだが,そうは簡単にいかない。あの日の記憶の風景のように,まぶたの裏にはあって,でももう手は届かないサイトたち。十数年もたったある日,そんな風景が,ふいに思い出される日も,来るのだろうか。あの日の,少女のように。




 
[2001.01.17]
  Xboy be ambitious!


 ▼Is Microsoft toying with handheld games?(RED HERRING)【英語】
  http://www.redherring.com/insider/2001/0112/tech-xboy011201.html


 空があるなら,飛び立ちたいと思った。海があるなら,泳ぎ渡りたいと思った。そして,自分にもはっきりしない希望があるなら,それを明らかにするため,走り続けたいと思った。少年よ,大志を抱け!

 マイクロソフト社はいろいろなマーケットに攻撃を仕掛けているが,任天堂社のゲームボーイが支配している携帯ゲーム機の市場に挑戦することも議論されているという。このXボーイと名付けられたゲーム機は,Xボックス発売がうまくいけば,2002年か2003年には発売されるだろう。それはXボックスを,プレステ2の発売から1年程度待ってより良いものにしたように,ゲームボーイアドバンスの発売後,時間を持ってリリースされることになる。だが,市場の変化は早く,より早急な発売があるかもしれない。

 ソニーは,パームOSのクリエに行ってしまった。セガは,モトローラと共同で携帯電話に注力している。すなわち,コンシューマーゲーム機の主要メーカーで,ゲームボーイの独壇場に立ち向かうものはいない状態だ。と,なれば,最後の頼みはMSと,なる。記事では,2D主体にとどまるゲームボーイアドバンスに対して,Xボーイは3Dと,より上位の技術が集約されることから,さながらホンダシビック対キャデラックの様相を示すとしている(^_^;)。なんにしても独占市場は,進化の速度を遅らせる。MSが,Xボックスでそれなりの立場を築けば,当然次は,Xボーイを待つ声は高くなる(WSは? と云わないでね(^_^;)。

 MSという会社は,ある意味ではもう老年に近づいている。経営者たちだけでなく会社全体が保身と停滞を選択している。最近のMSの動きで,期待を膨らませるような動きが,なにかあったかい? だが,今までまったく関係のなかったゲーム業界について学ぶこと,そして今まで作ったこともないハードを売りさばくことを始めようとしていることは,意味深いことだ。もし,Xボーイで,新たな大志を抱くのなら,それもまたよし。携帯ゲーム市場の95%のシェアを握っている相手は(過去記事),MSにとってかつてないほどの強敵だ。挑みかかるなら,その大志は,尊い。Xボーイよ,大志を抱け!




 
[2001.01.15]
  Xボックス性的嗜好読解


 ▼Everyone vs. Xbox -Xbox Defended(Daily Radar)【英語】
  http://www.dailyradar.com/features/game_feature_page_2073_7.html


 Xボックスと他のゲーム機の比較なんてつまんない。圧倒的に優れてしまっているんだから。だから,Xボックスと比較すべきは,セックスだ(Daily Radarの記事)。Xボックスの,性的仕様をみてみよう…。

 Xボックスをほかのゲーム機などと比較する。見た目は? Xボックスはもっともきれいで,男性的で,そして粋で,堅実だ。コントローラーは? 格闘ゲームに向いている6つのボタンとマイクも接続できる2つのスロットなど他にないものを持っている。能力は? 速いCPU,革命的なGPU,巨大なパイプラインを持ったグラフィックチップ,凄いサウンドチップなど比較にならない。接続性は? ハードディスクとイーサネットアダプターによって,他のシステムより広帯域接続が可能だ。

 Xボックス性的評。その太くて大っきいものに手をあてがう。手にあまるくらいのそれは,淫らな動きをする指先の操りを,小刻みに受け止め,奥へとぐいぐいと導く。もっともっと,激しく強く動かしていい。その体内に秘めた圧倒的な力は,熱い吐息を洩らせる。広い背中は情念をささやき,官能の泉を湧き立たせる。ぶっとい挿入口は,熱い濃い彼を身体の中に飲み込む。もっともっと,いっぱい出しちゃっていい。固く結んだ唇から我慢できなくなった苦悶の息が漏れ出る…。(ぉぃぉぃ,古い官能小説かよ…(-_-;)

 性的嗜好比較。プレステ2とゲームキューブのダメなところは,接続できないことだ。そんなのは,性的不能者か不感症でしかない。毛も生えてないあそこを見るだけで悦に浸れるのだったらいいけど。ドリキャスの接続口はとっても小さいけど開発済み。いっぱい楽しめるし,ぷるぷるパックの小刻みな震えも可愛いね,っていうのはあまりにもロリータ嗜好かな(その真珠のようなボディといい)。Xボックスには,大人のセックスの魅力がある。一度味わったら,もう離れられない。性感帯の多さは,魅惑と幻惑の扉を開く。注目がWWFのプロレスゲームなんて,とっても肉体的。刺激的な情欲の鼓動に,溺れたい。(ぉぃぉぃ,ソニーと任天堂にしばかれるぞ…(-_-;)




 
[2001.01.14]
  グラフィックチップ業界の計


 ▼Nvidia曰く「Appleはわれわれの戦略にぴったり」(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0101/13/n_nvidia.html


 本来,独占的な立場を築こうとするヌビディアを,アップルが採用するというのはちょっと異質な感じを受ける。5年前なら,この採用は,なかっただろう。だが,現在のアップルには,必要なことだ。

 グラフィックチップメーカーのヌビディア社は,アップル社製品へのゲフォース2MX搭載のため,ADCに対応させるなどの改良を施した。ヌビディア社は,現在ATIテクノロジーズ社のラージ128モビリティチップが搭載されているパワーブックノートでの採用も狙っており,現在PC市場での48%のシェアを70%近くまであげたいともしている。

 最初はオプションでの選択肢となるかと思われたヌビディアチップは事実上,メイングラフィックチップの立場でアップルに迎えられた。ゲフォース2MXは,クイックタイムやマックOSの画面描画をつかさどるクイックドローを踏まえており,今回のG4の新グラフィック機能もサポート,アップルの独自規格であるアップルディスプレーコネクタ(ADC)にも最適化されている。マックのDVD再生機能は,(基本的にはソフトウェアデコーディングだが)グラフィックチップを経由して行われるため,その設計も必要となるが,これもカバー。これらは,にわかにできることではなく,十分な時間をかけて行われたことは予想が付く。ATIは,開発能力の遅さと,半年前のちょっとした失敗(過去記事)で,窮地に追い込まれた。

 に,してもヌビディアの名前は今,どのメーカーよりも大きい。PC市場では,3dfxを事実上潰した(過去記事)。Xボックスへの採用,マックのメインチップへの採用と,多方面化を進めている。今後,さらに中小のグラフィックチップメーカーは淘汰が予想され,業界の中心としてヌビディアの名前は強まり,ATIは最後に残された砦となる。マックの現状は,その予想図とも云える。近い将来,アップルがPDAを出す日,それはクイックタイムを中心としたグラフィックに大きく重きを置いたものとなり,そのPDA上にカスタマイズされたグラフィックチップは,1社独占となる。現状では,ほぼ,ヌビディアの採用となりそうな,勢いだ。かたやATIは,インテルとの提携という別の方向性を示している(MYCOM PCWEBの記事)。一年の計は元旦と云うが,今年の業界の計も,このマックワールドにみえているようだ。




 
[2001.01.13]
  ギークたちよ,この魔法を携えよ


 ▼iTunesとiDVDはAppleの救世主となってくれるか?(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/01/12/05.html


 最強の攻撃魔法よりも,最強の回復魔法よりも,この魔法は代えがたい魅力にあふれている。ギークたちの思考を楽にし,コンシューマーたちの思考を飛躍させる,新世紀の魔法。

 基調講演でスティーブ・ジョブズがあかしたアップル社のビジョン「デジタル・ハブ」に密接に関わってくるiTunesとiDVDは,重要な存在だ。DVD編集ソフトのiDVDは,クイックタイムなどの動画をドラッグ&ドロップで操作して,DVDプレイヤーで再生できるタイトルを作成できる。MPEG2変換にかかる時間も,ベロシティー・エンジンで動画時間の2倍程度。音楽CDがすぐにつくれるiTunes,DVDタイトルがすぐにつくれるiDVDが,マックの長期的戦略の正否を決める。

 繰り返しになるが,iDVDは,革命だ。ほとんどのギークにとって,最上位機種となるG4/733MHzの39万8,000円という価格は,惜しむにたる金額ではない。でき上がったムービーの保存先として,650MBの外付けCD-Rしかなかったことに比べれば,拘束具が一瞬にして解かれ,さらにすべての高度な魔法を手に入れたのとおんなじだ。それは別に,DVDビデオを取りだして遊んでいるリッピングギークだけでなく(^_^;)(WIRED NEWSの記事),自分のデジタルビデオカメラの映像で自作映画を作っているムービーギークや,早くテープメディアを捨てたいディスクギークたちも,全部を巻き込む。唯一欠点としてはiDVDでは1時間までのムービーしか1枚のDVDに収められない点だが(これがMPAAなどからの著作権に関する批判かわしだとしたらお粗末だ),上位ソフトウェアであるDVD Studio Proは,それを解消してくれるだろう。

 このiDVDをハードウェア面からサポートするDVD-RW/CD-RWの両刀を使いこなすスーパードライブは,パイオニア社の「DVR-103」(WIRED NEWSの記事)。DVR-103はコンパックのPCにも搭載が予定されているが,それはちょっと先になるし,当然iDVDはない。アップルがiMacなどの既存ユーザーのためにDVR-103の外付けドライブを発売するという噂もあるが,MPEG2エンコードにかかってしまう時間を考えると,下位機種に提供することは考えずらい。すなわち,G4/733MHzを買えと(^-^)。そう,本当のギークたちが手にしたかった魔法は,これ以外になかったのだし。




 
[2001.01.12]
  今日のための今まで,今日のための明日へ


 ▼OS X発売、新PB、事業戦略など盛りだくさんのスティーブ・ジョブズ基調講演(2)(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/01/10/11.html


 そして,アップルの目指すG4を中心とした「デジタルライフスタイル」のビジョン(ZDNet Newsのph)は,少しずつ埋まっていく。iTunesは,MP3プレイヤーやCDプレイヤーをG4に結びつけ,iDVDは,デジタルビデオカメラとデジタルカメラ,DVDプレイヤーを結びつける。はて? ビジョンの図にあって,今回まったく触れられなかったものがある。それが,PDAだ。これはアップルがPDAに手を出す明らかな証拠となった。最後に残されたビジョンの砦。明日のために,アップルは確かなビジョンを示していることを忘れてはいけない。

 スティーブ・ジョブズはマックワールドエキスポの基調講演で,アップル社の企業戦略について語った。それによると,今後,パソコンはデジカメやデジカム,DVDプレイヤー,MP3プレイヤーなどを結びつける「デジタル・ハブ」として機能する。「iTunes」と「iDVD」という2つのアプリケーションは,そのパスポートとなるものだ。

 さっそく無料でDLできるiTunesを使ってすぐ気付くのだが,これ,サウンドジャムMPだよね(;´Д`),ということ(ph)。感じとしてはサウンドジャムMPに,アップルのインターフェイスをかぶせたような感じ。だが,使い勝手のよさは特筆もの。サウンドジャムMPの主要機能はほぼ搭載されているので(ないのはイコライザとスキンぐらいか? Rioなどへの転送もできる(ph)),これがタダだとMP3再生ソフトを作っている会社は飯の食い上げですな。そしてそして,なななななんと云っても,iDVD,だ。これは本当に,革命と云う言葉に値するもの。凄すぎ。家庭で簡単にDVDビデオが作れる。作ったDVDディスクは一般のDVDプレイヤーでも再生できる。もちろんムービーはMPEG2エンコードされる。パソコンは単なるDVD再生装置としては存在意義がないが,iDVDを使うことで本当にDVDを利用することができる。そしてそれは,パソコンの存在自体を変えていくだろう。このソフトウェアの登場は数年後のパソコンへの第一歩だ。

 だが。iTunesは,サウンドジャムMPのプログラマーがアップル社に移籍して作ったものであり(サウンドジャムMPの開発元であるカサディ&グリーン社と事前交渉があったことは確か),CD-R作製用の焼きソフト「ディスク・バーナー」はラディアロジック社から権利を買い取ったもの。iDVDのテクノロジーの大半はアスタルテ社からチームごと買い取ったものだ(MacWIRE ONLINEの記事)。ビジョンを成り立たせるための重要なソフトウェアをひとつひとつ手にしていったのはすべて,云わば,今日この日のためだった。そして明日が続く。まだ終わりではない,すべては,はじまった,ばかりなのだ。




 
[2001.01.11]
  舞い踊れ,ソリッド・シューズ


 ▼ボディにチタニウムを採用したPowerBook G4を発表!(MacFan net)
  http://macfannet.mycom.co.jp/news/0101/10/0110apple_powerbookg4.html


 キューブという名のガラスの靴でこけた少女は,チタンでできたソリッド・シューズで舞台に舞い降りた。きらびやかな衣装よりも,気と意が舞台を駆け回り,月光が,淡く,降り注ぐ。…

 アップル社は新しいノートパソコン「パワーブックG4 チタニウム」を発表した。厚さは2.6cm,重量2.4kg,15.2インチ液晶に,G4 400MHzと500MHzを搭載し,スロットローディングDVDを備える。価格は,29万8,000円と39万8,000円。

 クイックタイムでライブ・ストリーミングを見ていた私は,チタニウムを見て,あっ,これってクイックタイム・プレイヤーやシャーロックを覆っているスキンだよね,と思っていた。もしそうなら,かなり長いこと暖められていたガワということになるのだが,どうだろう。ジョブズはこのチタニウムG4を紹介するたびにバイオと比較し,より優れていることをまくし立てた。小ささ,はかなわなかったが,その薄さと性能を持った軽さは十分に魅力ある。片手の手のひらの上で動くファインダーは,マックノートを待ち焦がれていた者には行き着いた桃源郷であろう。

 靴を無くした少女に,茨の道は辛すぎる。なればしっかりとした丈夫さを持った靴が必要。無類のソリッドの輝きに満ちたダンス・シューズは,つま先立ちで汚れなき地へと踏み出す。アルミより軽く,鉄より強い「Ti」の魔法。この靴があれば,大丈夫。ソリッドのステップが,今,鳴り響く。




 
[2001.01.10]
  噂と夢と現実と希望と


 ▼CountMacは電気ひつじの初夢を見たのか?(CoundMac)
  http://www.pascal.co.jp/countmac/index.shtml


 「朝になると,みすぼらしい服を着た少女がカベによりかかって,動かなくなっていました」。マッチの中の夢を見すぎた少女は,新年を迎えずに死んでしまった。彼女に,必要だったものは,なにか?

 スティーブと呼ばれる客人が持ってきたのは,シンクパッド1620上で動いているマックOSと,クイックタイムとXトークを基としたPDAだ。彼はそれらを一度に発表して業界を驚かす,と云った。それは2001年の初夢,か?

 瀬戸際の経営を立て直すため,使える手はなんでも使うだろうということで,噂もほどほども盛り上がった。いつもいつも話にのぼるサブノートや,やっとこさクロックアップするパワーマック。iMacもそろそろデザイン的な刷新が必要なことだし,廉価版キューブとしてリニューアルされると云う話もあるし。だが,現在の,パソコンがまったく売れない状況を考えると,新しいパソコンを出してもたかが知れているとして,PDAや携帯電話,ネットワークセットトップボックスという話もあったりして。過去に出た噂が勢ぞろいしている様相でもある。

 だが,楽しいのはときに噂だけ。夢の中で見た噂は,目が覚めたときにどのような現実をみせてくれるのか? 夢のような製品だったキューブも売れないという現実は,常に冷ややかな事実をみせてくれた。夢見る少女であったマッチ売りの少女は,結局大みそかの寒さの中で死んでしまう。現実とはそんなもんだ。そして現実を乗り切るには,夢よりも確かな生きる希望が必要だ。もうすぐ,目覚める。目覚めのコーヒーの湯気が,緩やかに立ち上る。その湯気の中に,未来が見える。




 
[2001.01.08]
  主柱2.4


 ▼待望の『Linux2.4』がついにリリース(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010106-3.html


 リーナスのえらいところは,OSにも,ソフトウェアにもまったく手を出さず,Linuxカーネルの作業だけにとどまっていることだ,と云われる。もともとはカーネルに名付けたはずの「リナックス」と云う言葉は,今,OS,デスクトップ環境,ソフトウェアも含めた大部隊となった。そして,2.4という部隊の主柱は,より強く部隊を引きつけるものとして完成した。

 待望のリナックスOSのカーネル「Linux 2.4」が4日,予定よりも約1年遅れてリリースされた。2GHz以上のCPU,USBドライバーのサポートや,マルチプロセッサーでの性能が向上した。

 昨年,待ちに待たれていた新しいリナックス・カーネルは(過去記事),大みそかにプレリリース配布,そして年明けすぐのリリースとなった。これまでの最新版は,昨年の1月5日にリリースされた2.2.14なので,ほぼ1年ぶりとなる。もちろんメジャーアップグレードとなる2.4に向けての開発はそれ以前から続いており,途中で大幅な機能の刷新や追加があり,USBの普及などへの対応などで,時間がかかった。だが,その甲斐あってのリリース,となったようで。

 カーネルの更新が滞っていた間,リナックスは表面部分の改革が爆発した。特にグノームによる標準デスクトップ環境の構築は著しいものがあった。さらにサン・マイクロシステムズによるスターオフィスなどのソフトウェアの進展も爆発した。Linux 2.4がリリースされたことで,今後数ヶ月で2.4をベースとしたOSが用意され,それと同時にグノームからデスクトップ環境も整えられるだろう。今までよりも,より身近なリナックス環境のために,そして,より強いリナックスのために,2.4は今年,ベースとなる。




 
[2001.01.07]
  船頭役と爆薬のヤク2つ


 ▼【2001 CESレポートVol.1】開幕直前──Xbox登場確実か!(ASCII24)
  http://www.ascii24.com/24/news/topi/article/2001/01/05/621646-000.html


 新世紀,次々に発売される新ハードは,ソフトウェアメーカーにとっては的を広げ,「当たり」を小さくすることにしかならない。もし,今までゲームに興味のなかった人まで巻き込めるような,「爆薬」的なハードがあれば,この低迷状態は変えられるのか? それとも頼りないハードウェアメーカーをみると,爆薬はやはりソフトウェア,なのか? もうひとつ。船頭役のいない船は,沈むしかない。求められるべきは,カタチだけでも船を引っ張ってくれる,誰か,か?

 ラスベガスで6日から9日,コンシューマー・エレクトロニクス・ショーが開催される。ブルートゥース,IEEE1394,xDSLなどのネットワーク関連や,MP3プレイヤーなどのデジタルオーディオ製品が数多く出店が予想され,6日のマイクロソフト社,ビル・ゲイツ会長の基調講演では,Xボックスのお披露目があるのではという情報が乱れ飛んでいる。

 正月明けに,いきなり秘密裏のハード画像流出でなかなか盛り上げてくれたXボックス(CNET Japanの記事)。Xボックス内部のラフスケッチのようなものも流れている(Planet GeForceのページ)。エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー誌からのハードのスキャン画像はいろいろなサイトで見られたが,製品だけでなく,ゲームのスクリーンキャプチャーのページもあり(ph1ph2ph3),目を引く。

 実績に繋げきれないセガ,迷走を止められないソニーに対し,任天堂とMSのこの秋の新ハードは,混迷を深めるゲームハードウェアの混迷をさらに深くしていくだろう。売れたのはドラクエとFF_だけ_で,他は_すべて_惨憺たる状況のなかで,新ハードはソフトメーカーにとっていい材料では決してない。明るい新世紀は,まだ明けない。とりあえず,7日午前2時15分からXボックスの日本サイトでもライブ中継されるXボックスのデビューを見てみたい。外様であるビル・ゲイツは明らかに船頭役に祭り上げられるのにうってつけの人物でもあるのだし。




 
[2001.01.06]
  消失への断罪


 ▼『Diablo』で謎の大殺戮事件(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010105204.html


 もし世界に神がいたとして,最期の一撃を人間に下したとしたら,それは「消失」でしかないだろう。悪魔は死にゆく様を楽しむために「惨殺」する「殺戮」する「虐殺」する。だが,結果は同じ。神の顔をした悪魔が「消失」を楽しむこともあり得る。

 ブリザード・エンターテインメント社のオンラインRPG「ディアブロ2」の対戦サーバー上で12月30日,黙示録的な大殺戮事件が起きた。プレイヤーはなにが攻撃してきたかも把握できないまま,打ち倒された。犯人が何者であるかは定かではないが,バトルネットのサーバーには,過度のアクセスで他のキャラクターへのアクセス権が与えられてしまうバグがあり,それが悪用されたとの見方もある。

 見えない敵が現れ,次々とプレイヤーを殺していく様は,なんとも恐ろしい。バトルネットのシステムオペレーターのコメントをみると,どうにも低姿勢なので,なんらかのバグがあって,それを突かれた,というのは正しそうだ。1月8日に,昨年の12月19日の時点でのキャラクターを生き返らせることができるようにするという。でも,停滞気味のランキングを活性化するために意図的にブリザード社社内で神の雷を下したという意見も強かったりする。TechTVが行っている「誰がDiabloのキャラクターを殺したか」という投票では,ブリザード社の内部犯行とハッカーによるハッキングが同じくらいに並んでいる。

 この「事件」についてのCNETの記事の一番最後のコメントは「たかがゲームじゃないか,まじめに受け取るなよ」というアドバイスだが,そんなアドバイスを受け取れる人はいないだろう。そして,神の仮面をかぶった悪魔になることもできる人間(内部犯行であれ,クラッカーであれ)に怒りはおさまらない。ブリザード社は犯人追及についてコメントを控えているが,キャラクターリストアの状況によっては,神,または悪魔に対する断罪を求める声もあがってこよう。




 
[2001.01.05]
  デッド・オア・アライブ・ドライビング


 ▼Apple expected to unveil speedier Power Macs(CNET.com)【英語】
  http://news.cnet.com/news/0-1006-200-4362156.html


 できることなら危ういことには手を出さずに進みたいが,すでに状況はそれを許してくれない。死なばもろとも,デッド・オア・アライブ・ドライビング。はた目からみていたらそれほど楽しいことはないのだが…(LoL)。

 1月9日からのマックワールドエキスポ/サンフランシスコアップル社は,最高733MHzのパワーマックG4を発表すると情報ソースは述べている。それはモトローラ社の「V'Ger」G4チップを使用。ただし,マルチプロセッサは今回の製品からは除かれるようだ。また,スロットローディング式DVDとリチウムポリマーバッテリーを初めて採用し,スリムさを増した「マーキュリー」というコードネームのパワーブックも登場しそうだ。他にDVD/CD-RWドライブモデルマシン,マックOS9.1が発表される可能性が高い。

 今回は度重なる業績の下方修正などに伴い(過去記事),すでにジョブズから多くの発表の前ふりがされているため,エキスポ直前の噂サイトもそれほど盛り上がっていない気がする。他には,マックOS Xの正式出荷日発表(2月22日からのマックワールドエキスポ/東京の週末24日リリースという噂が強い)なども持ち札としてはある。もちろん,いちばんの見せ物としては,廉価版キューブの発表や,パワーブック,iBookに並ぶもうひとつのポータブル製品マトリクスとなる,キューブブックか,PDAか,といったところ。ともかく,見せ場は多い。特に新ハードは,最近の価格改定による在庫一掃をみると,発表と同時に出荷の可能性も高く,待っていた人は即アップルストアにゴ〜という展開を期待できそうだ。

 アップルが,99年7月に発表されていたV'Ger G4に今まで踏み切れなかったのは,やはりモトローラのチップ製造能力に対する不信感が思っているよりも強いためだ(過去記事)。現行G4出荷の初期にも十分な生産量が整わず,需要に応えられない時期が続いた。だが,アップルももう是が非で経営状態を安定化させなければいけない状態となっており,V'Gerの採用,そして,V'GerにSOI(シリコン・オン・インシュレーター)技術を組み込んだアポロチップの採用に歩みを進めるしかなくなった。これは,信用のないモトローラに対する「苦渋の選択」だ。「V'Ger」「アポロ」チップが順調に進めば,パワーブックは,アポロチップによるマルチプロセッサを採用したコードネーム「ジェミニ」まで猛進できる。やっと,パワーブックは新世紀を迎えられる,というわけだ。不安と隣り合わせの製品開発はなんとも心もとないが,当分はそれに付き合うしかない。




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